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黄色いボールペン

はぴトレについて|April 25,2009 1:05 PM

昨日の金曜日、銀行は大混雑でした。

月末、給料日。
おまけに、ゴールデンウィーク直前の金曜日。
さまざまな支払いのために、そしてこのお休みにつかうお金の引き落としのために、銀行の前に長い行列ができていました。

そして、4月。今年度最初の給料日。
そう、新入社員さんにとっては、初任給のでる日です。
長い列の中に、黒い着慣れないスーツ姿の男女が嬉しそうにおしゃべりしながら並ぶ姿に、懐かしい○○年前の自分の姿を思い起こしていました。

最近、初任給の使い道で、両親へのプレゼントをあげる男性新入社員が増えているそうです。
女性社員は元々、初任給で親孝行のプレゼントを購入する人は多かったそうですが、それに対して、男性社員は「初任給→車のローン」という選択をする人もかなりの数だったそうです。
それが、車の購入という選択をする男性社員が減って、親孝行に転じたのだとか。

初任給=オトナの仲間入り=車・・・という図式があった時代が過去のものになってしまったのか、それとも流行のエコの影響なのか、すすんで親孝行したいという若者が増えることはとても喜ばしいことだとは思うけれど、若者の夢が描けない不況の影響だとすると、それはとても悲しい現代の一面のような気がします。

ありたい自分の姿という「オトナの自分」の目標設定を明確に持つことはとても大切です。
そこへ向けて自己投資をすること、つまり自分の給料を使うことに、仕事のノルマ以外の自己目標の達成を目指すことができ、そうすることで人は「働きがい」やつまり「仕事の意義」をまた見出すこともできます。
それなのに、大切な初任給の使い道が、なんとなくのご時勢で「無難に」選んだ親孝行だけとなると、それはなんだか悲しいな。
親孝行自体は、本当にとてもいいことなんだけれど、せっかくの新しいスタートを切った自分へのご褒美、これから働き続ける自分に忘れられない初任給の使い方をしてほしいなと、思います。


私は初任給で、1本のボールペンを買いました。
なれない研修医生活でクタクタの毎日。
初任給を引き落としにいく隙すらない、そんな時間に追われる生活。
それでも、若さだけで日々を乗り越えていました。
仕事に使うボールペンはどれも薬の名前がプリントされたもらい物ばかりで、気がつくとどこかへ消えていき、そこで拾ったものをまた使うような、そんなもの。
けれど、ある先生はいつも白衣のポケットに自分の名前入りのボールペンを挿していました。
そのペンで書類に書き込む先生の姿は、どこかで拾った誰かのペンではなく、自分で選んだ自分のペンで自分の仕事に責任をもって臨んでいるように思えて、その姿に憧れて、私は私のボールペンを探しに出かけました。

金銭感覚はまだまだ学生気分で、ブランドものを選ぶ勇気などなく、入ったのは学生時代からなじみの雑貨店でした。
迷いに迷って、少し派手かもしれないと思いつつ、黄色のボールペンを選びました。
あこがれの先生を真似て白衣の胸ポケッに挿すと、味気ない真っ白の白衣に黄色い蝶がとまったようで、それだけでなんとなく気分が華やいだことをおぼえています。

文字がかければ、ボールペンなどどれも同じ。
でも、私は私の選んだボールペンで、仕事がしたかった。
自分が責任を持って仕事を進めるとき、どこかの誰かと同じような、どこのダレがしたかわからないようなことでは、それは自分の仕事だとはいえない・・・そんな仕事への思いを黄色いボールペンにのせていたのかもしれません。

母親にも、ちいさなパイル地のポーチを買って帰りました。
きっと母はすごく大切にしてくれていたんだろうけど、私はもうそのデザインを思い出すことができません。
むしろ、何年もたった今でも、1本の黄色いボールペンが私の社会人としての歩みの象徴のようで、今でもはっきりと思い出に残っています。

あのとき、私が黄色を選んだように、たとえ働き始めて1ヶ月でも、私の働き方やキャラクターはもう出来上がっていた気がするのです。
もちろん、多くの研鑽を積んで、叩かれ磨かれ、伸びたり縮んだりしながら成長していくのだけれど、自分らしいカラーは大切にして、仕事をしてきた気がします。
そんな、私のカラーは、あのころと何も変わっていないのかもしれません。
そして、そんな自分のカラーを信じて大切にしてきたからこそ、自分にしかできない仕事を今もさせてもらっているのではないかと、そう思うのです。

初任給の使い方は、人それぞれ。
けれど、きっと思い出に残る使い方になると思います。
親孝行もいいけれど、自分のカラーを大切にした自分へのご褒美を選ぶのも、めぐり巡って親孝行になるんじゃないのかな。

私が親になって思うのは、子供が自分らしく自分の人生を歩んでほしいと、それこそが親としての私の幸せだと、そう思うようになったので、みなさんの親御さんもそう望んでいる気がするのです。

こんな時代といわれる時代だからこそ、自分の色を大切にしたお金の使い方、ゆっくり探してみてください。

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Tracked from 選ぶ勇気 | at September 10, 2009 8:10 PM
タイトル: たのしい検索 ゆかいな検索
本日は「選ぶ勇気」をキーワードに検索、何を選ぶために勇気を出した人たちがいるのかを、探してみようかと思います。 more

コメント

Posted by まーくん | at May 7, 2009 6:15 AM

ときこ先生の大ファンです。いつお見かけしても、ときこ先生は格好いいですよね。このブログ上でも、サンフランシスコで機器を見学するキラキラしたお顔が、最高です。ご自分のカラーが黄色だとか。風水的には、金運 変化 変革 の色で、
《黄を好む人のタイプ》
性格はとても明るく、やることに抜けたところがない個性が特徴。新しいものが好きで、目標を持ち実現させたがる人が多い。明るく、周囲の人を暖かな気持ちにさせるタイプ。
優れたビジネスセンスがあり、企業経営などビジネスを成功させるセンスと力を併せ持つ。
って、書いてありました。
「自分のカラーを探しなさい」という今回のお言葉と「好きな色は何色?」という話は全く関係ないじゃん。でも、でも、でも、さらに脱線して、
ときこ先生への憧れから、さっそく、PILOTの「黄色いボールペン」を1本、購入しました。
私の所はまだ「紙カルテ」なので、明日から仕事で使ってみます。「何だかいい仕事が出来そうな気がするぅ~~~あると思います。」

Posted by tokiko | at May 7, 2009 7:57 PM

紙カルテなら、ボールペン、使えますね!!

最近は、電子カルテだし、パソコンだし、
ペンを使う機会がめっきり減りました。
さみしいですネ。

学生の頃は、万年筆に凝っていましたが、
今はそんなもん、何に使うの?って感じ。
これもさみしい。

クリニックのすぐ近くに、モンブランのショップがあります。
あ~昔はあこがれていたのになあ・・・と
懐かしく思いながら、いつも店の前を通り過ぎ、
一度も足を踏み入れた事はありません。

これもまた、時の流れですね。

Posted by まーくん2 | at May 17, 2009 3:06 PM

モンブランかあ!
ショートケーキやチーズケーキを卒業して、
栗をふんだんに使ったあのケーキを初めて注文したときは、
ちょっと大人になった気分でした。
最近はロールケーキが大ブームで、
あるスタッフが堂島ロールを並んで買ってきたかと思うと、
別のスタッフが対抗して小山ロールを買ってきて、
栗の味の魔力をあらためて知りました。
えっ?そのモンブランじゃない?

あ~、高級万年筆のモンブランか。
まだ使ったことないです。
教授室のテーブルの上にあるのを見たことがあるような。

「黄色いボールペン」好調です。
スタッフにはミーハーな理由は内緒にしています。
「魔法のように効く処方が書けるボールペン」なんて
「ドラエモンブラン」ならありそうですけどね。

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